含有率分析(0.1%対応)
アスベスト検査方法は、公定法であるJIS A 1481(建材製品中のアスベスト含有率測定方法)を採用しています。
仕上塗材の層別分析も実施しております。アスベスト含有部位が下地調整材か主材かを調査する場合ご利用ください。
仕上塗材の層別分析も実施しております。アスベスト含有部位が下地調整材か主材かを調査する場合ご利用ください。
分析結果をお届するまでの流れ
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サンプル採取ニワトリの卵1個分程の量のアスベスト検査用サンプルを採取して、ビニール袋に入れてください。
異なる建材を混ぜて検査することは出来ません。例えば岩綿吸音板と下地石膏ボードが接着している場合、2つに分けて検査します。(2検体分の費用が必要になります。) -
ご依頼分析依頼書に必要情報をご記入の上、採取したアスベスト検査サンプルと一緒に弊社へ送付してください。
また、入力したエクセルファイルを分析依頼書1ページ目の説明手順の通りメールでお送りください。エクセルファイルが無くても分析依頼は可能ですが、報告書の作成が遅れる場合がございます。 手書きの分析依頼書をご希望の場合はご相談下さい。
(TEL 076-256-3918)
【注】受付時間は、「16時30分迄」です。16時30分以降到着分は「翌日受付」となります。 -
分析試験室にて、アスベスト検査サンプルの分析を行います。
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報告書到着アスベスト分析結果を記した報告書及び請求書を、ご指定のご住所へお届けいたします。
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料金お振込みアスベスト分析結果報告書が到着してから2週間以内に、銀行振り込みでお支払いをお願いいたします。
含有率分析の流れ
分析項目 | 分析手法 | 規格No |
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定性分析 (アスベスト含有の有無を分析) | 偏光顕微鏡法(JIS A1481-1)又は、位相差分散顕微鏡法・X線回折法(JIS A1481-2) | JIS A1481-1又は、JIS A1481-2 |
定性・定量分析 (定性分析を行いアスベスト 含有の場合、含有率を分析します。) | 偏光顕微鏡法(JIS A1481-1)又は、位相差分散顕微鏡法・X線回折法(JIS A1481-2)の分析を行い、アスベスト含有が認められた場合、X線回折法(JIS A1481-3もしくはJIS A1481-5)による定量分析を実施。 アスベスト非含有の場合、定量分析は行いません。(その場合、定量分析料金はかかりません。) | JIS A1481-1及び、JIS A1481-5 又は、 JIS A1481-2及び、JIS A1481-3 |
定性分析とは
「定性分析」とは、アスベストが「含まれているか否か」を調べる分析のことです。
定性分析=アスベストの有無を分析(0.1%を超えて含有しているか分析) アスベストの有無が建物の価値判断に必要という方や建物の解体、改修時の検査に向いております。
定性分析=アスベストの有無を分析(0.1%を超えて含有しているか分析) アスベストの有無が建物の価値判断に必要という方や建物の解体、改修時の検査に向いております。
定性&定量分析とは
「定性&定量分析」とは、アスベストが「含まれているか否か」を分析した後に、アスベストが「何%含まれているか」までを分析します。
定性&定量分析=アスベストの有無を分析+アスベストの含有率(%)を分析 アスベストが含まれているか、アスベストが含まれている場合、どの程度含まれているか知りたい方は、こちらの分析が向いております。
アスベストが含まれていない場合は定性分析で終了しますので、定性・定量分析でご依頼いただいても定量分析の料金はかかりません。
定性&定量分析=アスベストの有無を分析+アスベストの含有率(%)を分析 アスベストが含まれているか、アスベストが含まれている場合、どの程度含まれているか知りたい方は、こちらの分析が向いております。
アスベストが含まれていない場合は定性分析で終了しますので、定性・定量分析でご依頼いただいても定量分析の料金はかかりません。
定性分析の概要(JIS A 1481-1)
【試料の調製】
- 灰化 : 485℃で10 時間の加熱。
- 酸処理 : 2 mol/L 塩酸で15 分撹拌。
- 浮遊沈降 : 沈殿性及び浮揚性によって分離。
【予備検査】
肉眼、実体顕微鏡による観察を行う。
【試料の処理】
繊維を剝離又は分離するために必要な試料処理を行う。
【双眼実体顕微鏡検査】
繊維の種類を区分するため,双眼実体顕微鏡を用いて検査する。
【偏光顕微鏡検査用試料の調製】
代表的な繊維を適切な 浸液に浸し,顕微鏡スライドに載せる。、浸液 はクリソタイルの確認は 1.550,アモサイトの確認は 1.680,クロシドライトの確認は 1.700,トレモライト又はアンソフィライトの確認は 1.605,アクチノライト又はリヒテライト/ウィンチャイトの確認は 1.630 で行う。
【偏光顕微鏡によるアスベストの同定】
形態、色及び多色性、複屈折、消光角、伸長の符号、屈折率の確認によりアスベストの同定を行う。
定性分析の概要(JIS A 1481-2)
一次分析試料の調整
【無機成分試料の場合】
3ヶ所から採取した試料を同量ずつ粉砕器に入れて、粉じんの飛散に注意しながら粉砕します。その後、目開き425~500µmのふるいにかける作業を繰り返し、全ての試料をふるい下げます。こうして出来た試料を、一次分析試料とします。
※ 粉砕器には、乳鉢(磁性乳鉢、めのう乳鉢、アルミナ乳鉢など)、ウイレー粉砕器、超遠心カッター、振動ミル、ボールミルなどを使用し、粉砕の精度を高めます。また同時に、過剰粉砕とならないように短時間で粉砕するように留意します。
※ 粉砕器には、乳鉢(磁性乳鉢、めのう乳鉢、アルミナ乳鉢など)、ウイレー粉砕器、超遠心カッター、振動ミル、ボールミルなどを使用し、粉砕の精度を高めます。また同時に、過剰粉砕とならないように短時間で粉砕するように留意します。
【有機成分試料の場合】
3ヶ所から採取した試料を同量ずつ磁性るつぼに入れ、450℃±10℃に設定した電気炉で1時間以上加熱します。その後、清浄な状態で放冷し、有機成分を灰化させてから、粉砕器に入れます。その後、【無機成分試料】の場合と同様の処理を行い、一次分析試料とします。
X線回折分析法による定性分析
- 一次分析試料を、コニカルビーカーに入れ、100mg に対してギ酸の20%溶液を20mL、無じん水を40mLの割合で加えて、超音波洗浄器を用いて1分間分散します。
- 30±1℃に設定した恒温槽内に入れ、12分間連続して振とう後、孔径0.8µmのメンブランフィルタを装着した直径25mmのガラスフィルタベースの吸引ろ過装置で吸引ろ過し、乾燥後、X線回折分析の二次分析試料とします。
- 二次分析試料を試料ホルダに均一かつ試料ホルダ面と一致するように充塡します。
- 充塡した試料ホルダを、X線回折装置で測定する。採取した試料中のアスベスト含有率が明らかに高いと判断した場合は、一次分析試料を用いてX線回折装置で測定します。
X線回折報告書例
位相差・分散顕微鏡による定性分析方法
(アスベストのX線回折ピークが認められた場合)
- 容量50mlの共栓試験管に、一次分析用試料10~20mgと無じん水40mlを入れ、強く振動させて混ぜ合わせた後、容量50mlのコニカルビーカーに移します。
- ビーカーに回転子を入れ、マグネチックスターラーで撹拌しながら、スライドグラス上にマイクロピペッターで10~20µl滴下し乾燥させます。
- X線回折ピークが認められたアスベストに該当する屈折率(nD25℃)のうち鋭敏色を示す屈折率の浸液を選び、それぞれのスライドグラスに3~4滴滴下し、ピンセットの尖端で浸液と十分に混合・分散させます。その上にカバーグラスを載せて標本とします。(3標本作成する。)クリソタイル1.550、アモサイト1.680、1.700、クロシドライト1.680、1.690、1.700、トレモライト1.605、1.620、1.640、アクチノライト1.626又は1.628、1.630、アンソフィライト1.605、1.618、 1.640
(アスベストのX線回折ピークが認められない場合)
- 容量50mlの共栓試験管に、一次分析用試料10~20mgと無塵水40mlを入れ、強く振動させて混ぜ合わせた後、容量50mlのコニカルビーカーに移します。
- ビーカーに回転子を入れ、マグネチックスターラーで撹拌しながら、スライドグラス上にマイクロピペッターで10~20µl滴下し乾燥させます。
- 使用された可能性があるアスベストに相当する浸液を、屈折率(nD25℃=1.550,1.618,1.620,1.626 又は1.628,1.680 及び1.690の6種類)から選ぶ。
- スライドガラスに浸液を3~4滴滴下し,その上にカバーガラスをかぶせて標本とします。(3標本作成する。)
- 作成した標本を位相差・分散顕微鏡のステージに載せます。
- 倍率10倍の分散対物レンズで、粒子の均一な分散を確認します。
- 均一性が確認された標本について、分散対物レンズの倍率を40倍に切り替えます。
- 接眼レンズのアイピースグレーティクル直径100µmの円内に存在する全ての繊維状粒子を含んだ粒子を、その合計粒子数が1000粒子になるまで視野を動かして計数し、分散色を示すアスベストの種類及び粒子の数を記録する。
顕微鏡報告書例
石綿(アスベスト)含有の有無の判定方法
【石綿(アスベスト)含有ありの判定条件】
(ア)
X線回折分析法による定性分析の結果、一次分析用試料中に6種類のうち1種類以上の石綿(アスベスト)の回折線ピークが認められること。
なおかつ、位相差顕微鏡を使用した分散染色分析の結果、当該浸液の3つの標本で計数した合計3000粒子の中に、石綿(アスベスト)繊維が4繊維以上認められた場合、『石綿(アスベスト)含有試料』と判定する。
X線回折分析法による定性分析の結果、一次分析用試料中に6種類のうち1種類以上の石綿(アスベスト)の回折線ピークが認められること。
なおかつ、位相差顕微鏡を使用した分散染色分析の結果、当該浸液の3つの標本で計数した合計3000粒子の中に、石綿(アスベスト)繊維が4繊維以上認められた場合、『石綿(アスベスト)含有試料』と判定する。
(イ)
X線回折分析法による定性分析の結果、一次分析用試料中に石綿(アスベスト)の回折線ピークが認められなかったが、位相差顕微鏡を使用した分散染色分析法による定性分析の結果、選択した浸液の内、1種類でも当該浸液の3つの標本で計数した合計3000粒子中に、石綿繊維が4繊維以上認められた場合は、『石綿(アスベスト)含有試料』と判定する。
X線回折分析法による定性分析の結果、一次分析用試料中に石綿(アスベスト)の回折線ピークが認められなかったが、位相差顕微鏡を使用した分散染色分析法による定性分析の結果、選択した浸液の内、1種類でも当該浸液の3つの標本で計数した合計3000粒子中に、石綿繊維が4繊維以上認められた場合は、『石綿(アスベスト)含有試料』と判定する。
【石綿(アスベスト)非含有の判定条件】
(ウ)
X線回折分析法による定性分析の結果、一次分析用試料中に6種類のうち1種類以上の石綿(アスベスト)の回折線ピークが認められる。
しかし、位相差顕微鏡を使用した分散染色分析法による定性分析の結果、当該石綿に対応する浸液の3つの標本で計数した合計3000粒子中に石綿(アスベスト)繊維が4繊維未満であった場合は、浸液の屈折率を変えて再度定性分析を行う。
再分析の結果、石綿(アスベスト)繊維が認められない場合は≪石綿(アスベスト)含有せず≫と判定する。
X線回折分析法による定性分析の結果、一次分析用試料中に6種類のうち1種類以上の石綿(アスベスト)の回折線ピークが認められる。
しかし、位相差顕微鏡を使用した分散染色分析法による定性分析の結果、当該石綿に対応する浸液の3つの標本で計数した合計3000粒子中に石綿(アスベスト)繊維が4繊維未満であった場合は、浸液の屈折率を変えて再度定性分析を行う。
再分析の結果、石綿(アスベスト)繊維が認められない場合は≪石綿(アスベスト)含有せず≫と判定する。
(エ)
X線回折分析法による定性分析の結果、一次分析用試料に石綿(アスベスト)の回折線ピークが認められず、かつ、位相差顕微鏡を使用した分散染色分析法による定性分析の結果、選択した浸液のそれぞれ3つの標本で計数した合計3000粒子中石綿(アスベスト)繊維が4繊維未満の場合は≪石綿(アスベスト)含有せず≫ と判定する。
X線回折分析法による定性分析の結果、一次分析用試料に石綿(アスベスト)の回折線ピークが認められず、かつ、位相差顕微鏡を使用した分散染色分析法による定性分析の結果、選択した浸液のそれぞれ3つの標本で計数した合計3000粒子中石綿(アスベスト)繊維が4繊維未満の場合は≪石綿(アスベスト)含有せず≫ と判定する。
定量分析の概要(JIS A 1481-3),(JIS A 1481-5)
X線回折分析法によるアスベスト定量分析
【定量分析用二次分析試料の調製】
- 定量分析に使用する、直径25mmのフッ素樹脂バインダグラスファイバーフィルタの質量と、基底標準板のX線回折強度を計測します。
- 調整した一次分析試料を100mg(M1:一次分析試料の秤量値)精評してコニカルビーカーに入れ、20%のギ酸を20ml、無塵水を40ml加えて、超音波洗浄器で1分間分散させます。
- 30±1℃に設定した恒温槽内に入れ、12分間連続して振とうする。
- フィルターを装着した、直径25mmのガラスフィルタベース付き吸引ろ過装置で吸引ろ過を行う。
- ろ過後のフィルターを取り出し乾燥させた後、フィルター上に捕集された試料の質量(M2:二次分析試料の秤量値)を求め、二次分析用試料とします。二次分析用試料の調製に当たっては、1試料当たり3つ二次分析用試料を作製します。 なお、二次分析試料の調整で、残差率(M2/M1)が0.15を超えた場合には、三次分析試料を作成します。
【定量分析用三次分析試料の調整】
三次分析試料の調整は、二次分析試料から10~15mgを分取して無塵水の中に分散させます。秤量済みのフィルタに吸引ろ過処理を施して、乾燥後に試料の質量(M3:三次分析試料の秤量値)を求め、三次分析試料とします。
【定量分析手順】
- 定量用二次分析試料又は定量用三次分析試料を、X線回折装置の試料台に固定する。
- 検量線作成と同一の条件で、基底標準板及びアスベストの回折X線強度を計測し、基底標準吸収補正法によって両回折ピークの吸収補正強度を求める。
- 検量線からアスベストの質量を算出し、アスベストの含有率を求める。
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